枯らし熟成

すごい、こんな肉食べたことがない

「枯らし熟成」の和牛って?

肉を熟成させる技法のひとつ。

「枯らし」という技法は肉を熟成させる技法のひとつです。京都では昔から町の肉屋さんで行われてきた技法で、特殊なものではありませんでした。屠殺(とさつ)後、骨付きの状態で約2週間ほど吊るしたのち、カットし専用の冷蔵庫で1〜2週間熟成させます。肉の状態を見て熟成日数を調整し、ちょうど良いタイミングで飲食店やホテルへ納品したり、店頭に出します。
ところが高度経済成長になり、ホテルや飲食店が増え牛肉の需要が増し、それまでよりも大量の肉を短期間で納品する必要が出てきました。需要に対応すべく、肉の扱いや流通方法が変わり今日に至るのですが、「枯らし」のやり方だとどうしても時間がかかる為、「枯らし」を行う肉屋は減っていきました。さらには肉を運ぶために部位ごとにカットしたものを真空パックにすることは今でも同じなのですが、その際に熱湯をかけパックを収縮させ、パックの強度を高めることが今では一般化しました。
湯をかけることで、パックの強度は増し、運搬途中などに擦れたり引っかかりがあった場合でもパックに穴が空きにくく真空が保たれます。パックが破れ、肉が空気と触れてしまうと酸化したその部分が黒ずんで、場合によっては納品ができないのでパックの強度を上げることは大切なことです。
ですが、「熱湯をかけパックを収縮」させた肉は熟成に必要な善玉菌が死滅してしまい熟成が止まります。すなわち「枯らし」熟成はできません。そのため、現在では「枯らし」熟成の肉を扱うお店が激減し、希少な肉と言われるようになりました。京都つつヰオンラインショップではこの枯らし熟成の黒毛和牛を使った料理を販売いたします。希少肉となりますので、毎月限定数量となりますがご了承くださいませ。

「枯らし熟成」と3つの付加価値

A4黒毛和牛

当店は流行りのブランド牛にはこだわらず、肉の質のみに注目して独自で厳選した黒毛和牛のみを取り扱っています。通常A-5等級が良しとされる(社)日本食肉格付協会による格付ですが、京都つつヰでは、赤身の旨味と脂の甘味のバランスが理想的であると考えるA4等級のみを厳選しております。赤身の旨味と、脂の甘味のバランスが理想の状態を追求した答えが[ A-4等級 ]でした。

未経産の雌(メス)牛

次に未経産牛といわれる子を産んでいない雌牛です。未経産牛は処女牛とも言われ肉質はキメが細やかで、上品な甘みを持ちます。また脂質は口溶けが良くサラサラとしている事も特徴です。お腹いっぱい食べられるのに、翌日胃もたれしないと好評です。このように厳選した黒毛和牛を枯らし熟成といった日本の伝統的な技法で熟成させたもののみを取り扱っています。

骨董級の冷蔵庫

今はほとんどがプレハブタイプとなった食材の冷蔵庫。この仕様は開け締めの際に冷気が漏れてしまい、熟成期間に重要とされる冷気を逃してしまいます。先代より受け継いだ造り付けの冷蔵庫は重厚な扉が空調の冷気を逃さず適正温度で熟成する和牛を保管します。長く使われた、歴史のある冷蔵庫は貴重で、枯らし熟成には無くてはならない大切な設備です。

PRODUCTS

商品紹介

 

大人の厚切りすき焼き

選んだ部位はリブロースです。A4等級未経産メス牛のリブロースの赤身の旨味と脂身の甘味のバランスの良さをしっかり引き立たせ、程よい食感を体験していただきたく「厚切り」にしました。厚切りで作ったすき焼きの試作品を食した時は、衝撃が走りました。あくまで牛肉が主役です。その主役を引き立たせる割り下で...
 
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大人の牛丼

口に入れた瞬間「うまい!」と声を上げていただける商品に仕上げました。牛丼のベースとなる出汁つゆには、削りたての鰹節と利尻産昆布を使った一番出汁、「松野醤油」さんのうすくち醤油、「白扇酒造」さんの本みりん、自然の恵みであるピンク岩塩を使いました。高級な素材ではありますがそれぞれが主張しすぎず...
 
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おうちで焼肉5種盛り

枯らしに時間と手間がかかる故、限られた数量しか用意できないお肉で赤身の濃厚な旨味、脂身のサラッとした口当たりと甘みそして、それぞれ喉越しの良さをご自宅焼肉でお楽しみください。1セット内容:・A4黒毛和牛未経産雌牛の枯らし熟成肉のロース、カルビ、ランイチを各2枚・和牛タン、和牛ハラミを各2枚...
 
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枯らし熟成を今に伝える

京都つつヰの肉の目利きをお願いしている 肉屋 永井氏

枯らし熟成を今に伝える

京都つつヰの肉の目利きをお願いしている
肉屋 永井氏

「やっぱりお前のとこが一番美味い」と言ってもらう。
そうやってやり取りができるのが商売

永井氏の肉へのこだわりをインタビュー(2021.01.15)


 

━永井さんにとって枯らし熟成とは

親父の手伝いで肉屋始めたときからそう(枯らし熟成)やったから。昔は町の肉屋はみな当たり前にやっていたけどね。そのほうが美味しくなるのは皆知ってたから。特別に変わったことをしてるつもりは無いんよ。
 

2週間熟成させた肉を部位ごとに切り分ける

 

 

━現在その技法(枯らし熟成)をやっている肉屋が少ないのはどうして?

例えばね牛を20頭買って、これは1月10日に買った、これは12日に買った、14日に買ったというようにして、屠殺(とさつ)場の冷蔵庫に骨付きで置いておく。で、また2頭減ったし、また買ってというようにね。1週間置いておいたら水分が5%くらい抜ける、そうやって枯らしていくんやけど、置いておくと保管賃料かかるし、重量減ると重量に対しての売る目方が減る。そうまでしてそんなんやっているところ他にいないわ。
 
 

━手間暇かかるということですね?

そうやね、屠殺して1日、2日したらすぐに解体して、その肉をベルトコンベアに乗せて、ナイロンに入れて上から真空でパチンとして上と横から熱湯のシャワーをかける、そしたらナイロンがピューっと縮まる、そしたら真空漏れがしにくくなる。それですぐに出荷したら保管料も要らないし、目方も減らんわね。みんなそうしてるよ。
でもね、湯をかけると発酵しない、熟成もしない。 熟成肉のステーキ、といってウィンドウやショーケースに湯のかかった真空の肉を置いてる店も見かけるけどね、あれ熟成しいひんのに。湯をかけてそのまま日が経てば熟成やと思てるんやろね。
 
 

━え!それはパッと見で分かるものですか?

見たら分かる。封したところが全然違う。
 

お湯をかけた真空パックはナイロンが縮み硬くなる


湯をかけてる真空は頑丈でね、いろんな店やスーパーに肉を見せに行ったときにね、真空が漏れてたら値段叩かれるんよ。それで結局頑丈な真空をしてしまう。そうでないとロスが出るしね。
 

お湯をかけていない真空パック。ナイロンが縮んでいない

 
ま、いろんな事情があるのは分かるんやけど、僕とこは、これを食べてもらって、「やっぱりお前のとこが一番美味い」と言ってもらう、そうやってやり取りができるのが商売やと思ってるから、ロス出さないために真空して湯かけて、熟成してない肉。そういった肉の扱いはしない。僕から言わせればそんな肉の扱いしてるとこは、そこの店・そこの納品先を流行らせようと思ってない、ただ言われた肉をもって行ったらいい、という感じやね。

 

永井氏の冷蔵庫には湯をかけていない真空パックの肉が並ぶ

 

━こだわると時間やお金がかかってくるのは仕方ないところですね

そやから、宣伝してなんでもかんでも来たれ、でどんどん注文が増えて回転が早まればはやまるほど、こだわったことは出来なくなる。1週間しか骨つけた状態で熟成していないのに、出荷しないと追いつかないとかね。それで、間に合わなくて別のメーカーから部位ごとに集めたりしてね、熟成したとかじゃなくてまだ死後硬直のままの硬いものを納品したりね。そんなことしてる肉屋をいっぱい見てきたよ。結局売上を拡大しすぎるほどそうなってたね、そうなると和牛は和牛なんだけど、もう違う肉だよね。
 


━真空パック、お湯かけは熟成にとっては切り離せない話ですね

たとえば牛を今日買って、3日は死後硬直がまだ取れてない。だからこの3日間のうちに、ナイロンに入れてパチン(真空にして)として湯をかけたものは発酵も熟成もしていないから、肉質はもうやわらかくならん、結局ベストの状態にはならん。新鮮やけど、新鮮=熟成はしていないどころか死後硬直が取れてないから硬い。
 


━どのくらいの熟成が良いのでしょうか

(牛を)買うでしょ、2週間ほど骨付きで吊るしておく、1週間後くらいからだんだん緊張がほぐれて、ほぐれると同時に菌を出して旨味成分が出てくる。だいだい2週間目安にこっち(屠殺場の冷蔵庫から肉屋)へ入れる。その時に手が足らへんから一度にまとめてではなく、1週間くらいかけながら部位ごとに掃除する。そこでさらに一週間くらいかな。で、部位ごとに(湯をかけない)真空パックにした状態で3週間、そこから取引先の冷蔵庫で1〜2週間くらい。その冷蔵庫でもさらに柔らかくなるわね。2週間、3週間、全部で5週間くらい経ってるかな
 


━雌(メス)牛のみを扱うようになったのは?

先代のときから仕入れるのは雌牛という教えでね。
 

永井氏の扱う肉はすべて雌牛。去勢牛とは繊維のキメの細かさが違う


雄牛と雌牛の肉を比べると肉の繊維が異なっている。雄牛のほうが筋肉がゴツゴツしていてどうしても雌よりも繊維が粗いんや。雌はきめ細やか。繊維が粗いとその分硬い。肉質を柔らかくするために雄牛は去勢されるけど、去勢しようがもともとは雄、筋肉質。結局、雌のほうが柔らかいんや。でもね、一時期ブームになったときがあってね、去勢牛が。サシが入ってる、見栄えがいいから去勢牛買うわ、ってね。そのときでも僕からしたら、それは違うのになぁというね。そう思ってみたてよ。そしたらお客んさんは分かるんや、食べてもらってわかってもらうみたいな。あんたのとこ美味しいなとか、あそこの肉は変わった言うて。分かってる人は雌牛のほう選ぶんやね。そんなんいっぱい見てきてるからね。
で、そうなったら何ていうか、いいことは守ろうというやつやね、良い教えは。だからウチんとこは雌牛だけでやってるんや。
 
 
 

「やっぱりお前のとこが一番美味い」と言ってもらう。そうやってやり取りができるのが商売


永井氏の肉へのこだわりをインタビュー(2021.01.15)

 

━永井さんにとって枯らし熟成とは

親父の手伝いで肉屋始めたときからそう(枯らし熟成)やったから。昔は町の肉屋はみな当たり前にやっていたけどね。そのほうが美味しくなるのは皆知ってたから。特別に変わったことをしてるつもりは無いんよ。
 

2週間熟成させた肉を部位ごとに切り分ける

 

 

━現在その技法(枯らし熟成)をやっている肉屋が少ないのはどうして?

例えばね牛を20頭買って、これは1月10日に買った、これは12日に買った、14日に買ったというようにして、屠殺(とさつ)場の冷蔵庫に骨付きで置いておく。で、また2頭減ったし、また買ってというようにね。1週間置いておいたら水分が5%くらい抜ける、そうやって枯らしていくんやけど、置いておくと保管賃料かかるし、重量減ると重量に対しての売る目方が減る。そうまでしてそんなんやっているところ他にいないわ。
 
 

━手間暇かかるということですね?

そうやね、屠殺して1日、2日したらすぐに解体して、その肉をベルトコンベアに乗せて、ナイロンに入れて上から真空でパチンとして上と横から熱湯のシャワーをかける、そしたらナイロンがピューっと縮まる、そしたら真空漏れがしにくくなる。それですぐに出荷したら保管料も要らないし、目方も減らんわね。みんなそうしてるよ。
でもね、湯をかけると発酵しない、熟成もしない。 熟成肉のステーキ、といってウィンドウやショーケースに湯のかかった真空の肉を置いてる店も見かけるけどね、あれ熟成しいひんのに。湯をかけてそのまま日が経てば熟成やと思てるんやろね。
 
 

━え!それはパッと見で分かるものですか?

見たら分かる。封したところが全然違う。
 

お湯をかけた真空パックはナイロンが縮み硬くなる


湯をかけてる真空は頑丈でね、いろんな店やスーパーに肉を見せに行ったときにね、真空が漏れてたら値段叩かれるんよ。それで結局頑丈な真空をしてしまう。そうでないとロスが出るしね。
 

お湯をかけていない真空パック。ナイロンが縮んでいない

 
ま、いろんな事情があるのは分かるんやけど、僕とこは、これを食べてもらって、「やっぱりお前のとこが一番美味い」と言ってもらう、そうやってやり取りができるのが商売やと思ってるから、ロス出さないために真空して湯かけて、熟成してない肉。そういった肉の扱いはしない。僕から言わせればそんな肉の扱いしてるとこは、そこの店・そこの納品先を流行らせようと思ってない、ただ言われた肉をもって行ったらいい、という感じやね。

 

永井氏の冷蔵庫には湯をかけていない真空パックの肉が並ぶ

 

━こだわると時間やお金がかかってくるのは仕方ないところですね

そやから、宣伝してなんでもかんでも来たれ、でどんどん注文が増えて回転が早まればはやまるほど、こだわったことは出来なくなる。1週間しか骨つけた状態で熟成していないのに、出荷しないと追いつかないとかね。それで、間に合わなくて別のメーカーから部位ごとに集めたりしてね、熟成したとかじゃなくてまだ死後硬直のままの硬いものを納品したりね。そんなことしてる肉屋をいっぱい見てきたよ。結局売上を拡大しすぎるほどそうなってたね、そうなると和牛は和牛なんだけど、もう違う肉だよね。
 


━真空パック、お湯かけは熟成にとっては切り離せない話ですね

たとえば牛を今日買って、3日は死後硬直がまだ取れてない。だからこの3日間のうちに、ナイロンに入れてパチン(真空にして)として湯をかけたものは発酵も熟成もしていないから、肉質はもうやわらかくならん、結局ベストの状態にはならん。新鮮やけど、新鮮=熟成はしていないどころか死後硬直が取れてないから硬い。
 


━どのくらいの熟成が良いのでしょうか

(牛を)買うでしょ、2週間ほど骨付きで吊るしておく、1週間後くらいからだんだん緊張がほぐれて、ほぐれると同時に菌を出して旨味成分が出てくる。だいだい2週間目安にこっち(屠殺場の冷蔵庫から肉屋)へ入れる。その時に手が足らへんから一度にまとめてではなく、1週間くらいかけながら部位ごとに掃除する。そこでさらに一週間くらいかな。で、部位ごとに(湯をかけない)真空パックにした状態で3週間、そこから取引先の冷蔵庫で1〜2週間くらい。その冷蔵庫でもさらに柔らかくなるわね。2週間、3週間、全部で5週間くらい経ってるかな
 


━雌(メス)牛のみを扱うようになったのは?

先代のときから仕入れるのは雌牛という教えでね。
 

永井氏の扱う肉はすべて雌牛。去勢牛とは繊維のキメの細かさが違う


雄牛と雌牛の肉を比べると肉の繊維が異なっている。雄牛のほうが筋肉がゴツゴツしていてどうしても雌よりも繊維が粗いんや。雌はきめ細やか。繊維が粗いとその分硬い。肉質を柔らかくするために雄牛は去勢されるけど、去勢しようがもともとは雄、筋肉質。結局、雌のほうが柔らかいんや。でもね、一時期ブームになったときがあってね、去勢牛が。サシが入ってる、見栄えがいいから去勢牛買うわ、ってね。そのときでも僕からしたら、それは違うのになぁというね。そう思ってみたてよ。そしたらお客んさんは分かるんや、食べてもらってわかってもらうみたいな。あんたのとこ美味しいなとか、あそこの肉は変わった言うて。分かってる人は雌牛のほう選ぶんやね。そんなんいっぱい見てきてるからね。
で、そうなったら何ていうか、いいことは守ろうというやつやね、良い教えは。だからウチんとこは雌牛だけでやってるんや。
 
 
 

ABOUT

料理人 筒井健一

 
 伝統を受け継ぎ、
    時代に合わせて進化させる。
 

 
料理人

筒井 健一

まだまだ無知だった若かりし頃、永井さんが扱われてる牛肉に出会いました。それまで様々なお店で牛肉を食べてきましたが、明らかに他とは違う素材の良さに魅せられました。ブランドにこだわらず最高等級ではななく、枯らし熟成である理由を知り、「自分が店を持つときには絶対に永井さんからの品物を」と思ってました。
どうしても時代の流れの中で、効率の良さが重視され、本来の姿が失われつつあります。それはある意味必然のことであり、間違ったことではありません。

そんな中、流れに逆流し伝統を守り続けることは非常に大変で、手間がかかり非効率なことです。お父様の時代から「良いものは良い」と実直に継承されてきた目利きと技術。そして確かな品物とそれに準ずる美味しさ。
~主役は牛肉~
A4等級黒毛和牛未経産雌牛を枯らし熟成した、間違いなく時間と手間を惜しみなくかけられたお肉です。そのお肉を料理で表現しお客様にそのお肉の価値を伝える。私は表現者であり伝道者でなければならないと思います。

ABOUT

京都つつヰは和牛好きのためのオンラインショップです

 黒毛和牛枯らし熟成 京都つつヰは、黒毛和牛を使った料理のオンラインショップです。
京都から毎月数量限定で全国の和牛好きの方へお届けします。
 
  
  黒毛和牛枯らし熟成 京都つつヰオンラインショップ  

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